オリビアは、部屋へもどり、裸電球の灯の下、収益を確認する。

本日の様子では、あれが最後の仕事になりそうだ。

多少苦しいが、上出来と考え、オリビアは、店主に納める金額を取り出し、チップと共に布袋にいれた。

旅したくや、沐浴を終え、すっかり姿を整えて、彼女は店のほうへ再度足をむける。

オリビアは店主を呼び出すと、手間賃と共に、約束の金額を手渡した。

「明日の出発は、早くなりそうなのかい?」

女が問う。

「ええ。遠いし早めに発つから、納金だけ済まそうと思ってね。」
簡潔に答えた。

「よければ、酒でも飲んでおゆき。」
金額に満足したのか、主はいう。

「ありがとう。」

「ああ、あちらの旦那が、あんたにご執心だったけど。とるかい?」

紹介料は、3カントでいいと続ける。

「遠慮するよ。殿方には、女形だとでも言っておいて。おやすみ。」

オリビアは悪戯な笑みを浮かべた。

「ああ。おやすみ。ゆっくりお眠り。」

主が、彼女を階段の下から送る。

『もったいないねぇ。
偉く、いい家の出の男なのにさあ。』