そっか……。 信哉は、私にこういうことをして爽が嫉妬で怒る姿を見せようと思ったんだ……。 そうしたら、“嫉妬”によって爽の心の中にいるのは花梨ちゃんじゃないって私が納得すると思って……。 「おい、信哉……ソイツから離れろ」 爽のいつもより低い声が耳に入ってきて、思わず肩を揺らした。 なんか……私が口にキスされてないこと気づかれてる? だって、そこには一切触れてこないし……。 そんな私と同じことを考えたのか、信哉は私から唇を離した。 ……でも、まだ顔は近い。