花梨ちゃんは、私の言葉を聞くと、その大きな瞳に薄らと浮かべていた水を、一筋、頬に伝わせた。 ……それは、私でも分かった。 “嬉し涙”だって……。 「いいんですかっ?」 「うん」 「あっ、ありがとうっ!」 「わっ!?」 花梨ちゃんは、私に抱きついてきた。 ……この子。 男の子に普通に抱きつくって……。 まぁ、私は女だからいいけど……これ、男の子にやったら、襲われちゃうよ? 花梨ちゃん……可愛いんだから……。