――キーンコーンカーンコーン 最後の授業が終わるチャイムが校内に鳴り響いた。 それと、同時に教室内が一気に騒つき始める。 私は、教科書などを鞄の中にしまっていた。 「……柚希くん」 そんな私の耳にさりげない感じの声が入ってきた。 「あ、うん。 ちょっと待って」 私、これから花梨ちゃんに学校案内しなきゃいけないんだっ! 私は、急いで残りの教科書を鞄に詰め込み、花梨ちゃんに微笑んだ。 「行こっか」