「えーと、名前は……」 花梨ちゃんが、少し困ったような表情を見せる。 「あ、野中柚希です」 私は、ニコッと笑ってみた。 「ゆっ柚希くんっ。 学校案内してもらってもいいかなぁ……?」 花梨ちゃんは、私よりも身長が低いためなのか、わざとなのか、上目遣いになっている。 悔しいけど……か、可愛い。 私は、思わず頷いてしまった。 爽が学校案内するよりは、ずっとマシ……だよね?