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程なくして、灰鐘が

「彼処がいい。」

と言って決まったのだが……



「ちょっ……!
こんな所勝手に使ったら罰当たるんじゃないのか!?」



「当たらねぇよ(笑)
こんなでかい寺なんだ、木の一つや二つ貸してくれていいだろ。」



そう言って木の幹にもたれる灰鐘。



「でも寒いな…。
これだから京は嫌いなんだよ。」



身をすくめる灰鐘を見た狼牙は、犬の姿から大狼の姿に変化し、灰鐘に寄り添った。



「これで寒くないだろ?」



「あぁ。
獣臭いがな。」



「そんなに凍えて死にたいのか?」



「冗談だよ。」



クスクス笑いながら重い瞼を落としていった。



「今日は少しはしゃぎすぎた…。

もう寝る。」



「おやすみ。」



「ん…。

おやすみ…。」