田岡を見つめる、ひとみがゆれる。

一瞬のためらいを見せたあと、田岡が口をひらいた。


「おれ、さ。うん・・・・・・こわいんだ」

「・・・こわい?」

「うん・・・その、事故に、合ってからさ。中身が、見えるっつか・・・想像、しちまうんだよ。自分の血と、肉と。今でも、皮膚の裏とおもてが入れ替わった夢、見るんだ。赤い筋肉がむき出しになった、自分を、」


な、グロいだろ。

言葉をつまらせたあと、ごまかすみたいに、田岡はそう言った。

そして、目を伏せて、続けた。


「・・・同じように事故にあった、菜落に会いにいくのが、こわい」


情けねーだろ、と、田岡は笑った。

笑わせてしまった自分を、責めたくなった。


だって、下で泣いているのを隠しきれていない、うすい膜みたいな、笑顔だったから。