「おい、聞いてるのかよ?」
思考を巡らせていると、肩を捕まれた。
刹那、あたしの中で何かがプツリと音を立てて切れる。
「あたしに、触るな」
「は?今の状況わかっていってる?」
5対1。普通に考えればあたしは為すすべもないといったところだろう。
普通に考えれば。
「………今なら、見逃す」
無益な争いはあまりしたくない。
あたしからの最後通牒。
「何?強がってる?」
男達は、最後の足掻きだと思ったらしくニヤニヤとあたしに近づく。
「………別に、強がってなんかいない」
「ふーん」
「じゃあ、強がりじゃない所を見せてみろよ」
出来るならな、とバカにする男達に、あたしは、ニヤリと笑う。
「――――言ったな?」
バカなのはお前達だよ。


