月夜に舞う桜華




「………なに?」

「聞いといて、お礼1つなし?」

「俺達、お礼欲しいなぁ……」

「お礼……?」


男達はあたしを囲むように歩み寄ると、そ、と頷く。
ジロリとあたしの頭から足先までを舐めるように見る。


「そうだなー……その体で、かな」


(………下衆が)


チッと心の中で舌打ちをする。


「………残念だけどあたしはそういうつもりないし」


貴方達に股開くなんて勿体無いわ。


「………あ?」

「舐めてんの?」


ガラリと変わった様子にあたしは、落胆する。
眉を吊り上げた奴らには、不良もどきの言葉も勿体無い。


(和……お前が求めていたのはこういうのだったのか……?)


このために、あの日………桜姫は死んだのか?