月夜に舞う桜華




(………雅龍にいた奴らじゃ、ない)


とりあえずあたし的には誰でも構わないんだけど、雅龍の連中は後からがうざそうだから除外。


あたしは、彼らに近づいた。


「ねぇ、」

「あ?」


一言で彼らはあたしを見て、直ぐに目の色を変えた。


「こんな夜中にどうしたの?」

「可愛いなー?何?遊び相手でも探してんの?」


(こんな色気の欠片もない服で遊びは探さないよなぁ……)


アホだわ、こいつ等。と思いながらあたしはニッコリと作り笑いを向ける。


「聞きたいことあるんだけど」

「何々?」

「皇蘭、て知ってる?」


首を傾けるオマケまでつけると、男達はキョトンとした後盛大に笑い出す。


「何、キミ皇蘭に興味あり?!」

「サイコーだな!」


ゲラゲラと品のない男達の笑い声に耳を塞ぎたくなった。