月夜に舞う桜華




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空気が、若干冷たい。


すっかり夜の帳が下りた頃。
真ん丸のお月様が足元を照らしてくれる。


(………久しぶり、だなぁ…)


動きやすいラフな恰好であたしは夜の道を歩いていた。


夜遅く、外を出歩くなんて本当に久しぶりであった。
昔のあたしは、夜が大好きだった。全てを包み込んでくれそうで。でも今はその逆だ。


夜は大嫌いだ。
あいつを思い出すから。


おもいだしたくもないものだから。


あたしにとって天敵のような夜の中、あるものを見つけた。


「ハハハッ、そりゃないだろ!」

「いや、まぢでうけんだって!」


近所迷惑にも関わらず爆笑しながら煙草を吸っている集団。


不良と言うより、不良もどきな奴ら。