月夜に舞う桜華




(………なんだかなー)


目の前の光景にあたしはまるで他人事のように見る。
4対1は明らかに晶が不利。
でも、はっきり言えばそんなことあたしには関係ないのだ。


目の前の奴等が勝手にやり始めたこと。


(………そろそろ出席確認の時間だ)


携帯で確認してから、睨み合う五人をほっぽりだして背中を向けて歩き出す。





「っ、椿?!」


誰かがあたしを呼ぶ声が聞こえてきたけれど、あたしは完全に無視した。


(勝手にして)


あたしのいないところでやってよ。


心の中で毒づきながらあたしは、一人、教室に向かった。