(あちゃぁー……)
失敗した……と肩越しに振り返り、そこにいた人物にあたしは、瞬きをする。
「こんな裏道を一人じゃ危ないよ?」
そこには、あたしが逃げていた朔夜達ではなく、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべてあたしを見ている見たこともない制服の男が五人。
(雅龍の奴ら……じゃないよね)
雰囲気からして違う、ということはこいつらはあたしの逃亡の邪魔をしているということだ。
「ねぇ、聞いてる?」
「離してくんない?」
「強気だね?」
(強気じゃなくて、強いんだよ)
あたしは、心の中でため息をついた。
「強気な子啼かせるの好きだなぁ」
「おいおい、どう啼かせるんだよ」
「勿論、決まってるだろ?」
「………」
ゲラゲラ笑いながら下品な話をするこいつらを殴りたい衝動を必死に抑えながらあたしは肩を掴む奴に口を開く。


