椅子に身を預け、ゆっくりと目を閉じながら、あたしは放課後の作戦を考えたのだった。
――――放課後。
「…………誰も、いない」
図書館から出るのに細心の注意を払わなければならない。
右見て左見て、また右を見る。
誰もいないことを確認してからあたしは、図書館を出た。
1日考えたが朔夜や雅龍から逃げ切るのは無理がある。
少しでも見つからないルートで帰るのが最良だという答えに行き当たった。
恐らく正門にいるだろうから裏門から帰る。
念のために正門を盗み見したら朔夜をはじめ雅龍の連中が溜まっていた。
(今の隙に帰れば大丈夫)
抜き足差し足で何とか裏門を通過。
それから、なるべく見つからないように、と歩いていると、トントン、と肩を叩かれあたしは、目を瞑る。


