月夜に舞う桜華




足を止め、振り返ると、どうした?と聞いてくる。


「………一体何なの」

「何が?」

「これじゃあまるでストーカー」


ギロリとにらめば朔夜はニヤリと笑う。


「言ったろ?諦めが悪いって」

「………はぁ、」


これは何言っても駄目だな。


あたしは、更にため息をついた後、学校に向かって歩き出した。
朔夜とクラスが違うのがせめてもの救いだ。


(とりあえず、まいてから、図書館に行こう)


あたしは、一人の空間を欲していた。


ここ最近、誰かが近くにいることが多い。だから、一人になりたかった。


「なぁ椿」

「…………」

「今日暇か?」

「…………」

「雅龍に来ないか?」

「……………行かない」


もう、イヤ………。