月夜に舞う桜華




―――――――――
――――――


清々しい位に晴れた空、鳥の囀り、1日の最高の始まり。


「………だのに、」


はぁ、とあたしの気分は真逆だ。
フッと視線を上げれば、見たくもない奴の姿。


「なんで、いるかな」


奴は、あたしに気づくと、小さく笑う。それがまたかっこよく見えてムカつく。


「椿」

「………何しに来たわけ……朔夜」

「迎えに来た」

「理由は」

「一緒にいたいから」

「…………」


あたしは、無言で朔夜の横を通りすぎる。直ぐに追いかけるように歩き出した朔夜にまた、ため息を一つ。


あたしは、きちんと断ったはずだ。
仲間にはならない。
赤髪と戦うことで、解決した問題のはずだ。


「…………」

「………」


お互い、会話はない。