「今ので起き上がれるなんて中々やる」


プッと口から血を吐き出し、赤髪は立ち上がる。


「ハッ全然へなちょこだ」

「ふ~ん」

「俺は、まだまだやれる………」


しかし、一歩踏み出した赤髪はそのまま膝をついて地面に叩きつけられた。


あたしは、赤髪の側に足を進める。


「……チッ」

「残念だったな………立ち上がっただけお前凄いよ」


ポンポンと労るように撫でてやると赤髪はゆっくりと目を閉じた。


「あたしの、勝ち」


残念でした、と共に赤髪の名前を呼ぶ声が倉庫の中を埋め尽くす。


「彰真さん!」


わあぁっと彰真に駆け寄る下っぱ達に、あたしは彼らの波をぬって歩きながら入口に向かう。


「――――待てよ」


肩越しに振り返ると朔夜が立っている。