月夜に舞う桜華




なんて横暴な奴なんだ!


「でも、貴女にとって仲間になった方が色々メリットがあるんじゃないですか?」

「メリット?」


茶髪が眼鏡をかけなおしながら頷いた。


「はい、雅龍のメンバーなら、護衛もつけられますし、一人で襲われることもないですし……」

「あたしが、あんたらに護られるってこと?」

「べっ別にあんたは桜姫なんだから心配ないだろうけど、一応女だから!」


女嫌いの癖に、あたしを心配するんだ。
変な赤髪。


「桜姫がいるって分かったら攻めやすいんだよー」

「バカっ」


赤髪が金髪を叩いた。


(なるほどね)


瞬時に理解した。
あたしは、餌ってわけ。
でも確かにあたしがいるって知ったらあいつは取り乱すだろうなぁーー。