月夜に舞う桜華




出来るだろうか。あたしに。
今のあたしはきっと出来ない。
ただの、五十嵐椿には。


桜姫は、あの日死んだのだ。


そう、死んだ。


(…………でも、)


チラッと朔夜の様子を伺う。
雅龍と共に皇蘭を潰す。
そしたら、全てが終わるだろう。


本当の意味で、桜姫は死ねる。


(桜姫、)


グッと拳を握りしめた。


桜姫、あの時に終わった。
でも本当の意味で、終わらせよう。
そして、――――……。


「よし、決まりだな」


スプリングを鳴らしながら朔夜が立ち上がりドアへ向かう。


ガチャリとドアを開け、その先にいる彼らに告げる。


「成功したぞ」

「まじか!」

「流石総長~」

「良かったです」


三人の喜びの声が聞こえてきた。