月夜に舞う桜華




だからこそ、あの時の衝撃を忘れられない。


「―――――皇蘭を創ったのは間違いだった」


ベッドから立ち上がる。
今度は捕まらないように距離を取った。


「間違い?」

「…………依存するのはよくない」


信用するなとは言わない。だけど依存しないで。
あたしから朔夜に出来る唯一の忠告。


「依存、だと?」

「そう」


依存すればするほど辛くなる。


あたしは、ふらりとドアに向かう。
このまま、帰って寝よう。
そして忘れよう。


これから向けられるだろう非難の目を。


カギを開けてドアノブを回す。


しかし、あたしはそこから前に進めなくなった。


「…………どうした?」


分かっている癖に聞いてくる。
肩越しに振り返ればしてやったりな朔夜の表情。