月夜に舞う桜華




「何を謝るの?」

「…………貴女を調べさせて貰いました」


すっと目を細めた。


「――――あたしを、調べたと?」


足を組んで、茶髪を睨む。
四人の表情が変わった。


「は、はい」

「で?分かったことは?」


さっきまでの五十嵐椿はいない。


今、ここにいるのは―――


「…………貴女が、皇蘭の総長だと」

「元、な」

「まじかよ………」

「元、だ。今は只の女子高生」

「………それだけの威圧感でよく言うよ」


ぽそりと赤髪が呟く。
聞こえているぞ。


「ここに連れて来たのはそれか?」


チラッと朔夜を見るが朔夜は無言を貫く。あたしは溜め息をついた。


「なら、あたしは帰る」


ソファーから立ち上がる。