月夜に舞う桜華





―――――――先に後悔するのは、あたしの方だった。


ようやく下ろされたかと思えば、ソファーの上、あたしは身動き一つ出来ない状況に陥ってしまった。


蛇ににらまれた蛙のようだ。


(あたし、こいつらに何かしたっけ?)


朔夜を初めとする四人の目があたしに向けられている。
その目は、朔夜を除けばとても険しいものだ。


「――――本当に、こいつが?」


赤髪が、隣の茶髪に問いかける。


(人を指で差すなって習わなかったのか?)


「そのようです」

「すっごいねぇ!」

「あり得ねぇ!!」


金髪はパチパチと拍手をし、赤髪は髪をぐしゃぐしゃにしている。


一体、なに?


二人の様子を眺めていると、茶髪は、すみませんといきなり謝ってきた。