月夜に舞う桜華




(ゲッ………あいつらもいるの?)


面倒だなぁ………。


朔夜達の会話を聞きながら、はぁ、とため息を一つ。
てか、なんか頭に血上ってきたんですけどー。


「総長、その女………」


背中に視線がいくつか突き刺さる。
まぁね、変だよね。
これじゃあまるで荷物だし。


「あぁ……」


(余計な事を言わないでよ)


折角の平穏をぶち壊さないで。
そう願っていてもこの男はあっさりと打ち砕いてくれる。


「俺の女、五十嵐椿だ」

「そうですか」

「じゃじゃ馬だから」

「なるほど」


(おい!なるほどってなんだ!)


あたしがじゃじゃ馬だって?
聞き捨てならない。


(覚えてろ………)


ここから降りたら、後悔させてやる。