「ちょ、まぢ入んないって!」
「あー?」
聞こえねぇなぁ、と朔夜は一歩倉庫内に足を踏み入れた。
(最悪………)
また、こっちの世界に入ってしまった。
「急に大人しくなったな」
だらんと力を抜く。
もう知らない。あたしの体重で肩凝ってしまえ。
倉庫内は割りと綺麗にしているみたいだ。思ったより広いのは流石県No.1といったところだろうか。
「総長!おはようございます!」
「あぁ、おはよう」
しかし、平日にも関わらず雅龍の奴等は倉庫にいるらしい。
(あんまり人に見られたくなかったのに)
小さく溜め息をついてなるべく人に顔を見られないように朔夜の制服を凝視しておく。
「昌達は?」
「随分前に険しい表情で来ましたよ」


