段々大きく鮮明になっていく二人の様子。
突然、あいつが立ち上がった。
それに続いてゆっくりと椿が立ち上がり――――俺は、息をすることを忘れた。
足は、止まるとこなく進む。
なんだ、あれは。
椿の腰に、生えたあの、赤く染まったものは。
瞬きをひとつする度にスローに場面が変わっていく。
立ち上がろうとした椿は、前屈みになり、あいつを見上げ、息を詰める。
そして下腹部を押さえながら―――ゆっくり地面に倒れた。
(嘘、だろ……?)
思わず目を疑う。
しかし、目の前の光景は、変わらない。
「つ、ばき」
喉が乾いて声がカラカラに掠れている。
声よ、出ろ。
力なく地面に倒れている椿に、俺は渾身の力を振り絞り声を出した。


