どれを選んだかは本人じゃないと分からない。
「………こっちか」
しかし、何かが俺に迷うことなく道を選ばせる。
海へと続く道を。
ひたすら走り、額から流れてくる汗すら拭うことをしないで俺は走った。
目は、世話しなく動き続け椿の姿を探す。どんな死角も見逃さぬように目を光らせる。
どれほど走ったか。
走っている間には椿は愚か、人一人捉えることはなかった。
雷心に足止めされ過ぎた。
ようやく見えてきた陸と海との境目。
そして小さく見える二つの影。
「………っ椿…!」
地面に座り込んであいつと話をしているのか、とりあえず、見つけた。
早く、早くと急き立てる。
早く、あいつと引き離さなければ。


