月夜に舞う桜華




「何すんだよ」

「ふざけた事を言うな。椿は、お前らの道具じゃねぇんだよ」

「別に、道具とかに思ってねぇし」


よっ、と立ち上がった雷心は、手の甲についた赤い血にあーあ、と溜め息を一つ。


それを服で拭いながら、俺は、と繋げる。


「和は、俺にとっちゃ親よりも大事なんだよ」

「………」

「仲間になれと誘ってくれて、俺は居場所を見つけたんだ」


だから、和のためならなんでもする。
それが俺の和に対する恩返しの気持ちだ。その和が、今壊れかけている。
それを食い止めたいと思うのは仲間として当然だろう?


例え、それに犠牲があっても。


「居場所を失いたくねぇんだよ」


ここしか、ないから。


雷心の気持ちは分からなくもない。


同じ思いをしている奴は沢山いる。