「ちょっとだけ待って上げよーぜ」
「なんで」
そんなことをする理由はない。
あいつが、何をしようとしているか考えがつくから、早く椿を取り戻さなきゃいけない。
こいつは分かっているのか。
「自分の頭が犯罪起こしてもいいのか」
すると、雷心は平然と頷いた。
「それであいつがましになるならな」
「………正気か」
狂っていると思った。
ましになるなら犯罪起こしても良い?
そんなの良いはずがない。
「あの女が消えることで楽になるなら別に」
「っ」
その言葉に苛ついて、俺は雷心を殴り飛ばした。
勢いよく雷心は地面に倒れる。
「………ふざけんなよ」
「っいってぇなぁ…」
口許を手の甲で押さえながら雷心は上半身を起こす。


