月夜に舞う桜華




「ちょっとだけ待って上げよーぜ」

「なんで」


そんなことをする理由はない。
あいつが、何をしようとしているか考えがつくから、早く椿を取り戻さなきゃいけない。


こいつは分かっているのか。


「自分の頭が犯罪起こしてもいいのか」


すると、雷心は平然と頷いた。


「それであいつがましになるならな」

「………正気か」


狂っていると思った。
ましになるなら犯罪起こしても良い?
そんなの良いはずがない。


「あの女が消えることで楽になるなら別に」

「っ」


その言葉に苛ついて、俺は雷心を殴り飛ばした。


勢いよく雷心は地面に倒れる。


「………ふざけんなよ」

「っいってぇなぁ…」


口許を手の甲で押さえながら雷心は上半身を起こす。