目の前の男は、確か雷心と言ったか。
よく雷杜が同じ名前が入っているから遊んでみたいとよく言っていた気がする。
実際、俺は皇蘭という族の名前は知ってはいても顔は全く知らなかった。
椿も然り、謎の多い、族だ。
「雅龍の総長さんがわざわざ来るなんて、相当入れ込んでるんだ?」
クスリと雷心は笑う。
「お前と話をしている暇はない」
早く椿の所に、と雷心の横を通り過ぎようとすれば、阻むように雷心が前に立って邪魔をする。
その横を通り過ぎようとしても同じ。
どうあっても通したくないらしい。
俺は苛立ちを隠すことなく低く雷心を威嚇する。
「退け……」
「だから、無理」
「………俺とヤるか?」
「まさか、雅龍の総長さんに勝てるなんて全く思ってないよ」
ヘラヘラとしている雷心に俺の癪に障る。口ではこう言っているが、こいつ、強い。


