「でも、桜姫には一度も勝てなかった」
何度挑んでも結果は同じ。
そして、桜姫にとって俺はただの皇蘭の仲間でしかない。
勝つことも、自分のものにも出来ないと悟ったとき、俺の中で何かが壊れた。
「真っ正面で行っても勝てないなら、どんな手を使っても勝つ」
そう考えるようになった。
どうすれば、桜姫に勝てて且つ自分のものに出来るか。
歪んでいるなんて百も承知だ。
俺はただ自分の欲望のままに。
「それで、思い付いたんだよ」
それはとても簡単だった。
そうだ、そうだ。
殺してしまえばいいんだ、と。
ニタリと歪んだ笑みを浮かべる和にあたしは全身を震わせた。
鳥肌が立つ。
「狂ってる………」
「そうさ。狂ってる………だが、狂わせたのは誰だ?」
お前だよ、桜姫。


