屋上はもういけないかぁ……


新しい場所を探さなきゃいけない。


(ガリュウ……ね…)


あの殺気。
ガリュウがなんだか分からなくても予想はつく。


そして、あの黒に銀のメッシュの男は、一番危険だ。


(………なるべく近づかないようにしよう)


そう心に決め、あたしは階段を降りていく。
すると、ポケットの中に入れていた携帯が振動した。
着うた設定はしていない初期状態。
設定するのが面倒だからだ。


携帯を取り出して、開く。


(また……か…)


そこに写し出された見慣れた名前にあたしはため息をついてそのまま閉じた。


(もう、無理なんだよ………)


すまない。


小さく呟いて、あたしは前を向いた。