不思議に思いながら首を傾けていると、ダダダッと足音が近付いてくる。


「椿!!」


ガラッと勢いよくドアが開かれたかと思えば焦ったようにあいつの名前を呼ぶアホ四人組。


四人は、ぐるりと部屋内を見渡した後、俺を睨んだ。


「………椿はどこだ」

「さぁ?」

「しらばっくれんな!!」


今にも殴りかかりそうな勢いの奴は、確か、司という名前だったような気がする。


「知らねぇよ……椿はよく消えるからな」

「ああ゛!?」


冷静じゃないやつは手がつけられなくなる。血の気が多いほど、だ。


こいつらは見ていれば分かる。


椿にかなり執着している。
それはもうしつこいくらいに。


その執着は、失うことを恐れている餓鬼と類似している。