あまりの必死さにあたしは口をつぐむ。
違う、と彰真はもう一度言葉にした。
「雅龍に入れって意味での喧嘩じゃない」
「?」
「ただ、俺が、俺自身が負けたままこのま終わるのが嫌なんだよっ」
「………」
女に負けた。それが彰真にとってどれだけプライドを傷つけられたものかはあたしは知る由もない。
しかし、彰真の今の瞳は、プライドを傷つけられてただ報復のために喧嘩をあたしに申し込んできた訳ではなく。
ただ、純粋に、負けたままではいたくない。一度でいい、この女に勝ってみたい。
そう思っているのだと目から伝わってきた。
「…………この喧嘩には」
「条件なんてひとつもない」
「あたしと、喧嘩しに来たの?」
再確認だった。


