月夜に舞う桜華




「こうなるだろうとは思ったぜ」


来てよかった、と彰真は非難の意を込めた視線をよこす。


しかし、とあたしにも反論させて欲しい。確かに忘れていたのは悪いとは思う。


「でも、差出人不明の手紙を真に受ける人はいると思う?」

「う、」


今度は彰真が罰が悪そうに苦虫を数匹潰したような顔になる。


「悪戯にしか思えない」


たまたま朔夜がいってくれたからあぁ、彰真か、てなったけれど、朔夜がいなかったらあの手紙は即座にゴミ箱行き、それにあたしの頭の中には片隅にすら残らなかっただろう。


「そりゃ……」

「お互い様ならまだしも、あたしが怒られなきゃいけない理由はない」

「…………ごめんなさい」


あっさりと謝ってきた彰真に、あたしは拍子抜けだ。