月夜に舞う桜華




(最初からこうしとけば良かった)


雑音を遮断するには一番良い方法だ。
音楽に意識を集中させると、周りの物音は消えていき、今歩いているこの場所にはあたし一人だけになる。


流れるのは音楽だけ。
それがあたしを落ち着かせてくれる。


あたしは、それから一切口を開く事なく教室に向かった。途中クラスの違う朔夜と分かれた記憶もなければ、まともに先生の話すら聞いていなかった。


ただ、何もかも遮断しながら音楽だけを聞いていた。
あたしにとっての至極の時。


(…………終わったら、きっともっと静かになる)


早く、和を片付けようと胸に誓う。
あたしの頭の中はいかに静かにのんびり過ごせるかだけがグルグルと回っている
だから、あたしは、すっかり忘れていた。



果たし状の存在を。