月夜に舞う桜華




声のした方を向けば、雅紀が不安そうにあたしを見ている。


「………なに?」

「椿は、……あいつが好き?」

「………は?」


思わず聞き返してしまう。
ギャーギャーと喚いている他の連中には聞こえていない。


「あいつ………結城が好き?」

「……どうしてそんな発想になったの」

「………」

「………残念だけど、あたしには朔夜に対して恋愛感情はない。」

「本当に……?」

「当たり前だろ」


一体、いきなり何を言い出すかと思えば、アホらしい。


「…………」


あたしが、朔夜を好きなんてあり得ない話だ。


チラッと言い争いをしている中の朔夜を見る。
面倒くさそうに潤や、いつの間にか智詩も加わっていた。
司は、その様子を傍観している。