その事があってから…
寝ても覚めても上原の事が頭から離れなくて…
授業中でも他の女と遊んでいる時でもおかまいなしに
上原が拓哉の頭を支配していた。
「やばい…
絶対にやばい…」
独り言のように何度もつぶやく拓哉を
昂一が漫画を開きながらうっとおしげに見た。
今日も当たり前のように昂一の部屋にいる拓哉は
ベットの上でクッションを抱きしめていた。
「…まさか
これが…っ」
そうつぶやいてベットの上でゴロゴロ暴れだす拓哉に昂一が声をかけた。
「…なんだよ」
その声を待っていたかのように
拓哉が起き上がる。
「やばいんだよっ!
なんか…顔見たり触ったりするだけで
心臓がすっげぇ早く動き出して…」
「…それが?」
「だからっ…
これが…」
拓哉が言葉に詰まる。
そんな拓哉を昂一が少し笑った。
そしてそのまま開いた漫画に視線を戻した。
ベットの上で…
拓哉が天を仰いでいた。
これが…
『恋』―――…?
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