「お前らあんなに仲良かったじゃん。あと半年で卒業なんだぜ?このまま気まずくしてたら絶対に後悔すると思う」


「…」



ジンはカンナの味方なんだね…。


カンナの片想いの事も当然知ってるはずなんだよね…?



「彩乃っちと増田の間で板ばさみになってるかもしれねーけど、増田の話も聞いてやってくんないかな?」


「ジンは何でカンナの事…」


「おいこら!早く整列しろ!閉会式始まるぞ」



話していたのに、先生が間に入ってきた。


私より先にジンが自分の列へと並ぼうと動く。



「…あ、美織」


「何…?」



急に名前を呼ばれてドキッとする。


ジンは私の手首を指差した。



「それ、受験もコケないお守りだからお前にやる」


「…え…?」



そう言うと、ジンは背を向けて行ってしまった。