「朝ごはん出来たよー、
起きろー。」
私はユサユサとベッドに寝転ぶ男を揺さぶる。
「・・・ぁ・・・ん?」
まさに寝起き、という顔で目を細めながら返事をする彼。
「ん?じゃなくて、朝。」
「・・・朝来るの早いな・・・」
ふわわわ、と盛大なあくびをして身体を起こした彼。
「はいはい、いつも言ってるよ、それ。」
「マジか」
クス、かるく笑う私と彼。
「早く顔洗ってきて。
ご飯冷める。」
「わかった、わかった・・・。
今日のメニューは?」
「焼いた鮭に、豆腐のみそ汁に卵焼きと白米。」
「日本の食卓ー」
「でしょ」
私は満足して笑う。
私は彼を洗面台に押し込み、自分はダイニングに戻った。
私、中川ゆりな。
今年、高校を卒業した18歳の女の子です。
今年はついに、10代最後の歳になる。
「爽哉ー!
はーやーく」
私は二階に向かって叫ぶ。
顔洗いながら寝てるんじゃないでしょうね。
「はーい」
彼は素直に返事をして階段を降りてきた。
髪の毛がツンと跳ねている。
この彼の名は内田爽哉。
私と同い年。
私とはかれこれ、15年以上の付き合いになるだろうか。
所謂、幼なじみ。
爽哉と私は席についた。
そして、
「「いただきます」」
両手を合わせる私達。
私は箸をとってご飯を食べ進める。
「そういえばさ、
今日何時に出る?」
爽哉は口に卵焼きを詰めながら、
途切れ途切れに言った。
「ご飯食べてすぐでいいんじゃないかな」
「了解。」
そう言ってまた私達はご飯を口の中に入れていく。