自分達の都合ばかりしか考えてなかった。 もちろん私の親や親戚、会社の人達は近くの方がいい。 けど結婚して『横山』を名乗ることになる私にとっては向こうの事も考える必要があるわけで。 そして自分の両親に頭を下げ、徹の地元から一時間、私達の住んでいるところから二時間のホテルを候補にあげた。 「ご両親は喜んでないの?」 「かえって気を遣うよ。こっちに合わせてもらって申し訳ないって」 「迷惑なの?」 「……まぁ、有り難いけど」 「じゃあいいじゃん」 強引な私に徹はやっぱり渋い顔を崩さなくて。