あの時。 彼は、あたしに言った。 『───そーいうわけだから。 あの紙、捨てないでおいて。 学校でもよろしくね』 なんて。 彼は最初から最後まで爽やかだった。 「あ、富士山!」 「え!? どこどこ!」 「あ、ほんとだ!!」 「写真とろ!! 写真!!」 …なんて。 結局、あたし達の班は。 最初から最後まで騒がしいという結果で、修学旅行というイベントを終わらせたのだった。