そして俺は、リーダーでギターのNAOとふたりで、舞台に揃ったスタッフ全員に頭を下げた。 「今日まで支えてくれたみなさんに、心から感謝してます」 NAOが、マイクを握っていた。 「方向性の違いで、こんなに早く解散という形になってしまって残念ですが…これからもそれぞれの道でがんばっていきますので、どこかでお会いしたら、そのときはまた…よろしくお願いします」 スタッフの温かい目に囲まれて、NAOは涙声だった。 方向性の違い…か。 ありがちな理由。 単なる、売れないストレスからの不仲なのに。