「お味はいかがです?」 一瞬逸れた意識が、女性の声で元に戻った。 「味…?あー、そうですね」 ビールに口をつけると、まず泡の柔らかさが唇に触れた。 そのままひと口飲むと、ビール独特の苦味が口に広がる。 いつも飲むビールより、苦味が強い感じがした。 「しっかりした味ですね…あれ、でも…―」