「芽梨っ、何してんだよ、早くっ!」


わざわざあたしを連れに戻って来てくれた莱に手を引かれ、今まで存在すら知らなかった地下シェルターのようなところに身を隠す。

その僅か数秒後、あたし達がいた施設は爆破された。あたしが莱と出会い、今まで育ってきた施設は、一瞬で塵となったのだ。

莱が戻って来てくれなかったらきっと、あたしは施設のように塵と化していたかもしれない。

そう考えると、身体が震える。


「…さあ、みんな大丈夫よ。もうすぐ、鎮圧されておさまるわ。」


シェルターの中心、先生がみんなを安心させるためになのか、そう言葉を紡ぐ。

でも、あまりにも心許ない言葉に、あたしの震えはとまらなくて。ぎゅっと莱の手を握りしめれば、莱も強く握り返してくれた。

たったそれだけのことで、少しだけ安心できる。