「ねえ莱っ!ちょっと見て!」

「……何だよ芽梨。
朝っぱらから騒々し……、」


休日の朝。
誰よりも早く起きて行動を起こしたあたしは、誰よりも朝に弱い莱をたたき起こす。

案の定、まだ眠たそうに目を擦って身体を起こした莱は、あたしの頭を見て絶句した。


「何、その顔。」

「え?……いや、だって、」


口をもごもごと動かし、震える手であたしのチェリーピンク色に染まった頭を指差す。そんな莱を見て、あたしは小さく笑みを零した。


「っていうか、どう?黙ってないで、似合うとか可愛いとか、あるでしょ?」

「……何て言うか、派手。それより芽梨、自分で染めたの?」


あたしの問いに、あたしが望む言葉を返してくれない莱は、散乱したヘアカラーの箱を手に、呆れたようにため息をつく。

あたしが小さく頷けば、莱は再び大きなため息をついた。