「大丈夫、だよ。俺は芽梨が言ったこと、ちゃんと信じてるから。」


初めて見る莱の笑顔と、
あたしが今、1番欲しかった言葉……。

余計に溢れる涙でぐちゃぐちゃになったあたしの顔を少し笑い、莱は続けた。


「それに、先生も芽梨を信じてない訳じゃないんだ。」

「え?」

「芽梨の話は信じてる。でも芽梨が相手を怪我をさせてしまったのも、本当のことだろ。」

「………うん。」

「だから先生は、芽梨が相手に謝りなさいって、言ったんだよ。芽梨がちゃんと、善悪の判断ができるように、芽梨のこれから先を心配して。」


先生はあたしを、信じてなかった訳じゃないの?

先生の言葉は全て、あたしのためだった?

不思議とすんなり信じられる莱の言葉に、あたしは先生への暴言を悔やんだ。

だってそんなにあたしを心配してくれていた先生に、あたしは「大嫌い」だなんて――…

何もわかっていなかったのは、あたしの方だったのに。