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 お台場の倉庫で後頭部を殴打され、挙句死亡した内多桂三の自宅マンションから、データの記録されたフラッシュメモリが発見されたのは、害者の死後数日が経過し、本庁と港南署の合同捜査部隊が家宅捜索に入ってからだった。


 坂野たち新宿中央署の刑事たちも、本庁のデカが満更(まんざら)捨てたもんじゃないと思うようになる。


 フラッシュメモリの中にはあるものが入っていた。


 それは政権から転落してすっかり凋落(ちょうらく)してしまっている由自党の派閥の領袖(りょうしゅう)たちが、選挙の敗北後、激減していた氷代やモチ代に加え、マルBを使って上手く巻き上げた裏金の記録一覧だった。


 つまりこの記録媒体には政党の汚職が詰まっていたということになる。


 これが仮に民王党の党関係者や、今現在の内閣の中枢に行渡(いきわた)れば、ただでさえ金に困っている由自党の議員たちは更に追及を受けるのだ。


 現時点で民王党政権がマスメディアによって散々批判され、矛先はそっちに向いているのだが、このことが公になってしまえば、由自党が今度はマスコミの集中砲火を浴びることになる。


 480の定数がある衆議院で、300議席を超える議席を持つ民王党は、参議院では過半数を持っていない。