ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】



「じゃあ急所に一生を得るとも言います。お水がおれの支えになりますから!」


「……。水で九死に一生を得るって言いたいんだな。
なんっか使う場面間違ってるっていうか、那智、てめぇ国語弱いな、ほんっと。算数や理科は得意なくせに」


そんなに褒めなくても。

てれっと笑う那智だけど、ちっとも褒めてねぇから。

勉強道具を持ってくる那智に、「算数じゃなくて国語を持って来い」俺は国語の力を伸ばさせるために算数を却下。

「えーっ」声を上げる那智はぶうっと脹れて、渋々国語の教科書を持ってくる。


「はい、兄さま」

「今どこやってるんだ? 文章を読む力はある程度ある筈だろ…、ん? なんか落ちてきた」

「あああああっ! そ、それは!」


焦る那智に構わず、落ちてきたプリントを手に取って拝見。

「………」眉をつり上げる俺に、「えへへ」那智は可愛らしく笑いながら後退り。

逃げようとする那智の足を掴んで引き摺り戻し、「これは何だ」プリント、否、テストを突きつける。


千行の汗を流しながら、那智はてへっとヤケクソで笑ってきやがった。


「漢字百問テストの答案です」

「この点数」

「わぁお23点。惜しいです、あと7点で30点ですね! っ、アイテテテテテ!」

「どうしたら、この点数が取れるんだ。この馬鹿!」


那智の頭を押さえつけ、かいぐりかいぐり。

さすがに度肝を抜くぞ、この点数。
なんで半分も取れてねぇんだ、愛しの弟くんは!