「このぬくもりは兄さまだけのものだ。兄さまだけの…、那智、ずっと一緒だぞ」
「はい、ずっと一緒です。離れるわけないじゃないですか」
ゆっくりと俺の背中に手を回す那智は、「大好きです」毒気をも抜いてしまう笑顔で俺に告白。誰よりも大好きだと甘えてくる。
嗚呼、那智だけが俺を俺だと認め、飢えた心を満たしてくれる。
「大好きだ」密着する体をより密着させて、
「おれの方が大好きです」手を重ねて、
「俺の方が倍」視線をかち合わせて、
「おれはその倍です」笑って、
「じゃあ引き分けな」じゃれ合う。
ひと時の安らぎだった。
次第に那智は仕事の疲労が出てきたのか、目を閉じておやすみモード。
俺も目を閉じてオフモードに入る。少しだけ休憩だ、母親は午前様帰りになるっぽいし。
目を閉じていても、俺の腕は片割れを抱きすくめていた。
弟もまた、重ねた俺の手を握り締め続けていた。
俺等は切っても切れない…、家族よりも家族愛の濃い兄弟になっている。



