「駄目だったら天国で幸せになろう? でも、今は此処で頑張るんだ。
那智、絶対に自由を手に入れよう。
ダイジョーブ、なあんにも心配いらないだろ?
兄さまと一緒なんだから。
ふたりで家を出るんだ。
ふたりで外に出るんだ。
ふたりで幸せになるんだ。
ふたりでこの世界を生き抜くんだよ、那智。
今は辛くても、いつか皆と同じに幸せに、いや、それ以上に幸せになるんだよ。俺達は」
感極まってポロッと零れる雫は、抱き締めている那智の首筋に伝い落ちた。
ポロポロっと涙を流す那智は、「にいさまぁ」甘えるように俺の肩口に顔を埋めて、声を押し殺して涙を流す。
「大好きだ、那智。俺はてめぇがいれば頑張れるから…、那智は違うか?」
「すきっ、にーさますきっ、…死にたくないよぉ…」
うん、俺もだよ。
大好きな弟の背骨を軋ませるほど抱き締めて、俺は誓いを立てる。